農業を通して丹波篠山ブランドを発信していく
もともと植物に興味はあったが、農業を継ぐつもりはなかった
丹波篠山の代表的な特産物である「黒豆」。篠山市内でも豆の品質では1番と言われる川北で大規模農業をしているのが丹波たぶち農場です。田淵泰久さんは、就農して15年になります。
今でこそ、15年の経験がある泰久さんですが、もともとは農業を継ぐつもりはなかったそうです。ただ、植物にはとても興味があり生物の研究職の道を目指していたそう。ただ、そのあまりにハードで過酷な実態(ほとんど休みなしで、週に3日は研究室に泊まる)に「自分にはさすがに無理だ、、」と感じ、丹波たぶち農場に就農しました。
もともと植物が好きだったこともあり、農業をすることに抵抗はなかったそうです。
丹波篠山ブランドと立地を活かした大規模農業
丹波たぶち農場の1番の強みは、丹波篠山の気候を活かしそのブランド力を活かした販売までできる農業経営です。また、篠山市内でかなり多くの農地を預かって農業をされているとのことでした。実際、トラクターやコンバインなど大きな農業機械がたくさんあったのに驚きました。
また、今年来年といった目先の収益だけでなく50年後もずっとおいしいものを作れるような農業を心がけているとのこと。その一環として自家製の堆肥づくりも手がけているそうです。
堆肥を入れたからといってすぐに収量が上がるわけではないのですが、長い時間をかけて土を柔らかくして、栽培に適した土に少しづつ変えていくことができます。また、野菜自身が健康に育つ土壌になり、より安全に品質のよい野菜を作ることができるようになります。
堆肥をの切り返し動画(約44秒)。発酵の熱で湯気が上がっています!
いちご狩りに黒枝豆の収穫体験 お客様の「うまい!」が嬉しい
また、いちご狩りや黒枝豆の収穫体験といった観光農業にも力を入れています!黒枝豆の収穫体験は年々人気が出ており、たくさんの人が訪れているとのこと。川北のど真ん中というすこぶるよい立地も後押ししてくれているといいます。
いちごは収量より味にこだわっているといい、それは作り方に特徴があるといいます。いちごは温度さえ高ければ赤くなり、色と味は別だそうです。太陽の光を浴びてしっかり光合成することで、味が乗ってくるのだとか。味と香りは比例するそうで、色と味はそれほど関係が無いそうです。
普通だと赤い方がおいしく感じそうですが、香りがするかどうかかおいしいいちごを見分けるポイント!これは聞いていて非常に勉強になりました!
↑「やっちゃんいちご」 果肉は非常に柔らかく市場出荷には向かないとのこと!さすがのおいしさでした!
商工会に入ったことで篠山の楽しさを知れた!
休日は予定がないと取らず、特に農繁期は朝から夜まで働くことが多いという泰久さん。たまの休日には、最近生まれた2人目の子と一緒に動物園や水族館などに出かけることが多いそうです。
趣味はフットサルや麻雀に加え、陶芸をすることもあるそうです。実はその陶芸に触れたきっかけは商工会のつながりでした。今年度(2014年度)は青年部の西紀の支部長も務めていらっしゃいます。
農業は同業者とのつながりは農業組合などであるそうですが、やはり異業種のつながりは商工会ならでは。他の商工会の部員が色々な商売をしていることを実際に知り、自分自身が篠山の楽しさを知れたことがよかったといいます。
農業体験だけじゃない 篠山全体を楽しんで欲しい
例えば、お客様目線から見た時にいちご狩り体験だけで満足してもらうのではなく、篠山の地酒である鳳鳴酒造の蔵見学を組み合わせてもらったり、篠山市今田町の丹波焼の陶芸体験に行ってもらったりと、ここ篠山全体を通して楽しんでもらいたいと考えるようになったそうです。
お客さんがいちご狩りをして、その後「どこか楽しいとこないですか?」と聞かれたときにすぐに連絡できる。そのつながりができたのも商工会のつながりが大きいと。
↑ 篠山全体を楽しんでもらいたいとの思いから、直売所には観光情報も充実!
農業を通して丹波篠山ブランドを発信!
自らを「明るくポジティブ!」といい、篠山のよさを尋ねると、なにより「おいしい」、観光地として「たのしい」、田舎風景が「うつくしい」と素晴らしくまとめて下さった泰久さん!
単に農産物の生産だけでなく、篠山をお客様に楽しんでもらうことまで考えて日々農業に励んでいらっしゃいます。これからも丹波篠山ブランドをたくさんの人に伝えていって欲しいですね!
⇒ 丹波たぶち農場