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中西誠さん (有)なかにし事務機

値段の向こう側にある値打ち 何でもこなす街の文具屋さん

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小学生の頃から商売していた!?

篠山の中心部で店を構えるなかにし事務器。実家を継いで今年(2015年)で11年になるという中西誠さんは3代目になります。

小学生の頃から「継ぐな…」と感じていたという誠さんですが、すでに小学生の頃に、店から「ねり消し」を持っていて売っていたというエピソードの持ち主。小さい頃から商売を身近に感じていたようです。

ナレーター、ロゴ・パッケージデザイン、音響、、若い頃に積んだ実務経験

そんな誠さんですが、すぐに家業を継いだ訳ではなく高校卒業後は大阪に出て「プロダクション」に所属し、舞台の仕事を始めました。初めは演じる側の役もやっていたそうですが、裏方の仕事に面白みを感じるようになり、頼まれるがままに、音響の仕事からパンフレットのデザインまで行うこともあったそうです。

また、パソコン販売会社でのPC自作部門で働く機会があり、やたらパソコンのハードに詳しくなったり、人づてでタッチアプリのUI(ユーザーインターフェース)の仕事を行ったり、ロゴデザインなどの仕事も個人で受けていたりと、図らずも様々な実務経験を積んだそうです。

自分が30歳ぐらいの頃に篠山に戻ろうかと何となく考えていたそうですが、実家から「そろそろ帰って来ーへんかー」との誘いもあり、誠さんが27歳の頃に篠山に帰り今の仕事を継ぐことになりました。

「売れるものを売れたらいい」何でもこなす文房具店

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一見すると普通の文房具屋さんに見えますが、なかにし事務器が普通の文房具屋さんと違うのは、名刺、ポスター、印刷物やロゴデザインまでワンストップでこなすことです。それはもちろん、若い頃に誠さんが身につけた実務経験があるからこそ。

鉛筆1ダースを購入すると、鉛筆の名入れサービスを行っています。これはお子さんには嬉しいサービスですね!普通だと外注するところですが、なかにし事務器では自前でレーザー刻印も可能なので、書体なども好きなモノが選べますし、仕上がりのスピーディーさも違ってきます。

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なかにし事務器の初代(誠さんの祖父)も「売れるものを売れたらいい」とお客さんに喜んでもらえることが一番大事という考えで、それが普通の文房具屋の枠には収まらないサービスを展開している所以かもしれません。

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↑ 遊び心で仕入れたという商品。少しわくわくするような品揃えも特徴の1つです。

お客さんの声が直で分かるのが醍醐味

正月の三が日以外は休みなしで営業しているというなかにし事務器。誠さんは、午前中は毎日お客さんのところに配達に向かうそうです。そこで直にお客さんの声を頂けるのが醍醐味のひとつだとか。「この前のあれよかったよ!」と言ってもらえるのはやはり嬉しいことです。

配達から帰ってきてからは、様々な事務仕事をこなしつつ、ロゴデザインなどのクリエイティブな仕事もやっています。

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仕事ばかりしていると、アイディアも煮詰まってくるので、時間を見て趣味の車・バイクをいじったり、食べ歩きに出かけたりしてリフレッシュを図っているそうです。

商工会青年部 自分のできることをぶつけられる場

誠さんが商工会の青年部に入ったのは、篠山に帰ってきてからすぐのこと。すぐに勧誘を受け「2つ返事で」入ることを決めました。Uターン組として「篠山を盛り上げたい」という気持ちが多少なりともあったからかもしれません。

商工会に入らなければまず知り合うことが無かったという人たちと知り合え、知り合いの幅がとても大きいのが本当によかったという誠さん。年齢の幅も大きいのに親身に話せる「面白いつながり」は商工会無くしては無かったそうです。

商工会青年部では、様々なイベントを企画して実行していますが、例えばイベント時の音響など以前の経験を活かす場にもなっているとのこと。「できることをぶつけられる」それが誠さんにとっての商工会青年部で「それをどう活かすか?自分のアイディア次第」という言葉は印象的でした。

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当たり前のものがある 篠山のすごい「値打ち」

大阪に出て篠山に戻ってきたときに感じたのが「とにかく空気キレイ!」。これだけでスゴイ値打ちと感じたそうです。米がおいしい、野菜がおいしいのももちろんですが、「近所付き合いがちゃんとある」という部分によさを感じるそうです。

困ったことがあったらたまたま通りかかった近所の人に聞いて解決できたりと、何気ない日常に居心地の良さを感じられるのが嬉しくて、それは当たり前のことなのかもしれないけど、失われつつある今の時代だからこそ非常に価値が高まってきているのでは?と独特の視点から語ってくれました。

コミュニティビジネスという言葉も最近は出ているけど、それは自分たちがやってきた昔ながらの商売で、物を売るだけではなく「値段の向こう側にある値打ち」をお客様に感じてもらえているからこそ、今までこうして商売できているのだということでした。

篠山の中心にある篠山商店街。その居心地のよさ、暖かみを感じることができたら、それはなかにし事務器がやってきた商売も間違いなく一助になっているのだと思います。

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なかにし事務器(Facebookページ)

記事作成:2015年1月

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