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大前裕樹さん (株)大市住宅産業

地元篠山に寄り添い、共に生きていく

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「建築設計」の楽しさから家業を継ぐことに

篠山バザールタウンの前にある「日々木(ひびき)」をモデルハウス兼事務所として構える大市住宅産業。大前裕樹さんが3世代目になります。今年で入社10年目、代表就任4年目となる裕樹さんですが、実際家業を継ぐことには多少の迷いがあったそうです。

小さい頃から建築現場は身近にあったそうですが、現場特有の「荒くたい」感じが肌に合わないと感じていたこと、何となく感じていた田舎を出たい気持ちとも相まって建築とは違う道に進みかけたこともありました。

しかし、「建築設計」という部分に楽しさを見出し結局は建築系へと進路を切り替えます。大学院修了後、大阪の設計事務所で実務をビッシリ学び、2004年に大市住宅産業に入社。今では代表として会社の経営と設計に勤しんでおられます。

設計力とデザイン性に強み

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会社の強みを聞くと「デザイン性」「設計力」というお言葉。いわゆる設計事務所が行うような先鋭的なデザインではなく、何となく人の日々の生活に寄り添うような、優しさや柔らかさを感じるさり気ないデザイン性が得意とのこと。確かに、住宅展示場である「日々木」にいると、無意識に感じる居心地の良さがあります。

また、例えば三角形などの狭小地は、既存のパーツありきのハウスメーカーではなかなか対応が難しいらしいですが、このような難しい案件でもお客様にすっきりと満足頂ける設計を提案できるところが「設計力」という強みにつながっている、とのことでした。

他にも、兵庫県産木材、篠山産木材、丹波焼など地元の素材も使った「篠山らしい家」づくりも心がけています。お客様に「ストーリーを感じてもらえる」とのことで、確かにそういう特別感は施主さんにとっては嬉しいだろうな、と感じました。

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人とのつながりが嬉しい

仕事をしていて嬉しかったのは、施主さんに「いいのができた!」と言ってもらったり、引き渡し後に食事会を開催してくれたり、建築中に現場に顔を出した時に「みかんでも持って帰りー」と言われたりしたことだといいます。中には、定期的に手紙をくれたり、20年以上前の自分の親の世代に建てたもののリフォームの依頼を受けたことも。自分たちの仕事をお客さんに選んでもらっていて、「結局は人とのつながりが嬉しいんかなぁ」と語ってくれました。

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逆に辛かったことを聞くと、その時々でかなわんなぁと思うことはあってもすぐ忘れてしまうとか。それは、その辛い経験さえも糧として、前向きにとらえ直しているからなのかもしれません。

休みでも建築を見に行く

建築依頼が増えつつあることもあり、「休みらしい休みはあまりない」とのことでしたが、休みの日でも建築を見に行ったりと本当に建築のことが好きな印象を受けました。

特に、今年度(2014年度)は篠山市商工会の青年部の部長を務めていることもあり、平日・休日を問わず時間を取られることが多かったようです。

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商工会に入って気付いた「商売人としての誇り」

会社の代表になって4年目になる裕樹さんですが「経営者は孤独」ということを感じることが多かったそうです。商工会には、同じ立場の人がこんなにいるということが分かり、それが助けになったそうです。

また、商工会の活動で東北の復興活動に携わった人の講演会を聞く機会があったそうです。講演のお話の中に、とある小さい町に小さいながらも商売活動を興すことができたお話がありました。人は助けられるだけではしんどいもので、仕事を行い他の人の役に立てるということを感じることが生きがいになります。商工会で知り合った人から「商売人だからこそできる地域振興がある。商売人の元気こそが地域の活力につながるんだ」という言葉を聞き、涙が出るほどの衝撃を受けたといいます。

どうかすると、篠山という「田舎に引っ込んでしまった感」を感じていた裕樹さんですが、この体験を通じてこの篠山で工務店を営んでいること、商売人として地域に貢献することへのプライド・誇りを感じることができた、とのことでした。

以前にも増して、この篠山にどう貢献できるかを考える機会が増えたそうです。

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「人」に「景色」に 特有の魅力を感じる篠山のよさとは?

篠山のよいところで1番に挙げてもらったのが「人のよさ」でした。いい意味で「のんびりしている」「ゆるい」、特に「あざとさがない」と感じることが多いそうで、それは都会と田舎を比べている訳ではなく、同じ田舎同士の人たちを比べてみてもそのように感じることが多いそうです。

いまだに、新しい建築現場に出向くと「篠山にこんな谷があったのか」と思うこともあるとか。また、国道沿いでもすぐ側には森に囲まれた社があるところ、ツタに覆われた廃小屋のたたずまいなど、「ほんのちょっとした日常風景に面白い風景が隠れている」と、独特の目線と感性で篠山の魅力を語ってくれました。

「篠山」の魅力をもっとたくさんの人に・・

自然素材を使った風土にあった住宅が特徴の大市住宅産業。主張しないデザインなんだけど、何となく心地よい。篠山の豊かな里山の風景にそっと寄り添うようなデザインが魅力的です。

また、住宅だけでなく商工会青年部の部長(2014年度)としても、多くの部員のサポートを行いながら精力的に篠山の魅力を内外に発信されています。その活動も「篠山の商売人としての誇り」から来るものなのかもしれません。

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大市住宅産業

記事作成:2014年12月

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