雄大な自然の中で陶芸体験ができる丹波焼窯元
自然な流れで陶芸家の道に
丹波焼窯元である延年窯の作り手として作陶に励む 市野正大(まさひろ)さん。陶芸家として約10年のキャリアですが、最初から家業を継ぐかどうかを決心していたわけではなかったそうです。
それでも、丹波焼の郷 今田町に生まれ育ち、親の作陶の様子を見ながら育った正大さんにとって、陶芸家として生きていくのは自然な流れだったようです。
大学卒業後、京都の専門施設で陶芸をみっちり勉強し丹波に帰ってきて今年で10年になるそうです。
創造性と実用性のバランスを第1に
作陶に励むにあたって心がけているのは、創造性と実用性のバランスを第1に考えているということでした。
上の写真にあるのは、釉薬の代わりに「うるし」成分のものを使っているそうです。通常の釉薬と違って触り心地が柔らかく、器同士を重ねたときのキズやスレもできにくいとか。朱色の味わい深さと日々の使い勝手の実用性も兼ね備えた逸品です。
ゆっくり作品を見ることができる延年窯。上立杭のやきもの通りに面したお店です。
大自然に囲まれたアトリエで楽しめる陶芸体験
延年窯は上立杭の本店とは別に、少し離れた場所に専用のアトリエを新設しています。山のふもとに立てられたアトリエは、雄大な自然に囲まれてとてもリラックスできる場所。
こんな素敵な場所で陶芸の体験を行うことができます。クチコミによる紹介も多く、窯としても陶芸教室に力を入れていきたいとのこと。通常、工房の一角で陶芸体験を行う窯元さんが多いですが、何とこれは陶芸体験専用の施設なんです。
さらに、陶芸体験の後は2階にある休憩スペースでゆっくりリラックスできます。窓からは雄大な自然と今田の里山の風景が見えるとても贅沢な場所です。
「菊練り」と言われる陶土の練り方
作陶に加え 大学での講義も
陶芸家として作陶に励む一方、大学の講師として半期に週に1度の講義も行う正大さん。
やはり自分の作品を気に入ってもらえた時は1番喜びを感じる瞬間だそうです。また、陶芸教室に力を入れているという点で、体験に来られたお客さんが自分の焼き上がりに満足してもらえたときも嬉しい瞬間だといいます。
商工会青年部に入ることで外との繋がりができた
先輩に誘われて商工会青年部に入部した正大さん。基本的に「完全にインドア!」ということで、自分から地域のイベントなどにも関わることは少なかったそうです。
商工会青年部に入ることでそのようなイベントに積極的に関わることができるようになったそうです。また、商工会の仲間の活動を知ることで自分のお客さんに対しても、仲間の商売や事業などを教えることができ、よりお客さんに対して丹波のことを知ってもらうことができるようになったそうです。
篠山は「身近な田舎でもあり、歴史と伝統、古くからのいいものを長く受け継ぐ町であること」といいます。まさに丹波焼は、古くからの伝統を受け継いでいくもの そのものですよね。
伝統を受け継ぎつつ、オリジナリティを発揮して丹波焼をどんどん盛り上げていって欲しいですね!