篠山に癒しの空間を増やしていく
父が始めた仕事を終わらせたくない
篠山市を中心に、オフィスや病院、ゴルフ場や金融機関などで観葉植物のリース業を行っているのが、株式会社宝樹園(ほうじゅえん)さんです。44年前に始められた事業で、雪岡仁さんは2代目になります。
小さい頃からお父様がやっていた事業で、それを間近で見たり手伝ったりして、継ぐ気持ちは少なからずあったという雪岡さん。ただ、自分のやりたかった野球に熱中しているうちに自然と家業への思いも薄れていました。
卒業後は地元のJA丹波篠山に就職しましたが、今から約3年前ぐらいに父親の年齢や事業のことも考えることがあり、「今を逃すと継ぐことは難しくなる。今しかない!」と決心し、家業を継ぐことになりました。
やはり、「父が起業した会社を1代で終わらせたくない」という気持ちが大きかったといいます。
もっと植物に興味を持ってもらえるようにしていきたい
この仕事を始めて2年目でまだまだ父から仕事を教わっている段階だという雪岡さん。そんな中でもお客様から「広がるものより、少し細めのものをおいて欲しい」、「洋風のものだけでなく、少し和を感じさせるものも欲しい」というような要望を受けることがあり、そのようなニーズをしっかりくみ取った上で自分なりに提案できるようになっていきたいと考えているそうです。
また、意識しているのがその植物に興味を持ってもらえるようにすることだといいます。観葉植物というのは、空間の主役にはなり得ず、どちらかというと空間の引き立て役になります。なので、なかなか目を向けてもらいにくいのですが、自分なりにリース一鉢ごとに植物名を付けたり等の工夫をこらしてお客様に興味を持ってもらえるようにしていきたいとのことでした。
まずはそういった細かな点から取り組んでいき、自分なりにこの業種を盛り上げていきたいという心意気を感じました。
「これ、綺麗だね、名前何ていうの?」
観葉植物は意外と環境変化に敏感で、特に寒さや乾燥に弱いです。リース業ということで置いて頂いているお客様の元に行くことも多いですが、そこでしっかりと管理できずに傷んだり枯れていたりするとやはり残念に感じてしまうと。
その反面、管理させてもらっている植物に対して、「これ、綺麗だね、名前何ていうの?」と関心を寄せてもらえることはとても嬉しく、やりがいを感じるとのことでした。
観葉植物は冬の寒さがとても苦手
観葉植物は基本的に温かい気候の植物なので、日本、特に篠山の冬の寒さはかなり厳しいものがあります。冬場はガラスのハウスで温度と湿度を保ちながら管理しているそうです。
観葉植物は、毎週月曜に早朝より大阪まで仕入れに行き、それを篠山で維持管理していお客様に届けているとのこと。リース業なので、お客様のところへ定期的に交換しにいくことと、温室での植物の管理が日々のメイン業務だそうです。
この日は、外は雪が舞うほどの厳しい寒さでしたが、ハウス内はとても暖かく湿度も充分。植物にとってもは居心地よさそうな空間になっていました。
商工会青年部としても活躍中
元々地元篠山で育ったので、先輩や後輩が商工会に入っていました。自然な流れで雪岡さんも商工会に入会することになりました。
まだ入って1年ちょっとですが、「とても居心地のいい場所で、他業種の方との付き合いで自分にとってもプラスになる。」とすでに馴染んでいるよう。
観葉植物はその場所を訪れている人の心を和ませ、何気ない心地よさを提供してくれるもの。篠山にもっとたくさんの魅力あふれる空間が増えていくと嬉しいですね。